活動実績

名城公園キャンパス10周年記念シンポジウムを開催

2025年2月22日(土)、名城公園キャンパスキャッスルホール明倫において、創立150周年記念事業「名城公園キャンパス10周年記念シンポジウム」が開催されました。本シンポジウムは、名城公園キャンパスの開設10周年を記念するとともに、地域社会・経済界との連携強化や、2026年に学校法人愛知学院が創立150周年を迎えるにあたり記念事業のキックオフとして実施されました。

学長ご挨拶

シンポジウムの冒頭、木村文輝学長が登壇し、名城公園キャンパスの10年間の歩みを振り返るとともに、本学が地域社会の発展に貢献してきた意義について語りました。本学は「行学一体」「報恩感謝」の精神を基盤に、教養と専門知識、高い人間性を備えた人材の育成に努めています。伝統を守りつつ、時代の変化に即応し、新たな歴史を紡いでいく決意を表明しました。

また、本シンポジウムには、ジャーナリストで本学特任教授の池上彰先生、中部経済連合会副会長の神野吾郎様を迎え、「激動の時代における地域経済と大学の役割~これまでの10年、これからの10年~」をテーマに議論を深めました。池上先生は12年前に本学の特別講演に登壇し、以降「経済学特講IV」や「ジャーナリズム論」を開講し、今年度で本学教鞭10周年を迎えられました。

さらに、本学は2024年度より一般社団法人中部経済連合会に加盟し、産学官連携を強化しております。その一環として、人材育成委員会委員長である神野様を迎え、中部圏の経済や人材育成についてご指南いただきました。本学は今後も地域と協働し、未来の人材育成に取り組んでまいります。

基調講演

池上彰先生「激動する世界のトレンドに対応する未来の人材」

池上先生は、世界情勢と中部圏への影響について講演しました。戦争やアメリカ大統領選の動向を踏まえ、日本経済や地域社会に及ぼす影響について解説。特に、トランプ大統領の政策による関税の変動が東海地方の製造業に及ぼす可能性や、工場の海外移転のリスクについても触れました。また、生成AIの発展により、働き方が大きく変わる中で、企業や教育機関がどのように対応すべきかを語り、技術革新を活用できる人材育成の重要性を強調しました。

神野吾郎様「地域経済を支える人材育成と大学の役割」

神野様は、中部経済圏の現状と課題について講演しました。特に、中部地方では製造業が強みである一方、若年層、特に女性の県外流出が課題であると指摘しました。大学進学や就職を機に東京圏へ流出する傾向が続いており、地域に優秀な人材をとどめることはもちろん、地域に戻る仕組みや、地域と地域外を行き来しながらキャリアを形成できる仕組みの必要性を強調しました。また、大学と企業が協力して実践的な学びの場を提供し、リカレント教育やリスキリングを通じて、地域に根差した多様なキャリア形成の支援を行うことが求められると述べました。

パネルディスカッション

パネルディスカッションでは、商学部長の吉田聡先生がファシリテーターとして加わり、①地域経済における人材育成の実態と課題、②産学連携が生み出す新たな可能性、③未来への具体的な提言について議論がされました。

神野様は、中部経済における人材育成の現状と課題について、企業が求めるのは単なる知識だけでなく、多様な経験を持つ人材であると述べました。木村学長は、行学一体・報恩感謝の精神のもと、大学が実学的な教育に力を入れていると説明し、池上先生は、体験の格差が広がる中で、一度外に出て様々な経験を積むことの重要性を指摘しました。

また、池上先生は、データの活用が進む現代において、生成AIの慎重な取り入れが必要であると述べ、理系の研究を文系に応用するにはリベラルアーツ教育が鍵となると強調しました。神野様は、産学連携の成功例を紹介し、今後はより多くの分野で企業と大学の協力を強化すべきだと提案しました。

さらに、池上先生は社会人の学び直しの重要性を強調し、熱意を持った社会人が学生にとっても刺激となることを述べました。神野様は、学生起業家の支援や博士人材の育成の必要性を指摘し、大学、産業界、行政、地域住民が連携することが重要であると述べました。

最後に木村学長は、大学として企業・行政・地域とスクラムを組み、激動の時代を乗り越えていく決意を表明するとともに、本学の学生には大学を存分に活用し、幅広い経験を積み未来に対応する人材に育ってほしいと締めくくりました。

社会・地域連携活動「シャチ活」の紹介

シンポジウムの最後には、本学が推進する社会・地域連携活動「シャチ活」について、社会連携センターの城隆所長が説明しました。「シャチ活」は、学生が主体となり、地域社会の課題解決に取り組む活動であり、これまで多くのプロジェクトが実施されてきました。学生の積極的な社会参画が大学の学びを実践的なものにし、地域にも新たな価値を生み出すと述べました。また、社会人や地域の方に向けては、公開講座や履修証明プログラムを開講していることも紹介しました。

最後には、来場された皆さまへ御礼の挨拶を述べ、「名城公園キャンパスが10周年を迎えたのも皆様のおかげであります。今後も、愛知学院大学は、地域社会とともに歩み、教育・研究活動を通じて社会貢献を果たしてまいります。」と感謝の意を表しました。

本シンポジウムの様子が中日新聞(2月23日(日)朝刊)に掲載されました。
【許諾番号】20250227-32029
この記事・写真等は、中日新聞社の許諾を得て転載しています。

大学と社会の垣根を外し、互いの連携で新しい何かを生み出す。
そんな活動をここ愛知学院大学から。
地域・社会のニーズと、本学が持つリソースをマッチングし、共通の目的に向かって協働する。
社会連携センターはその中核となり、人と人の新たな可能性をこれからもつないでいきます。

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